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[ コラム ]
【事例付き】新入社員研修の内容例!成功のカギを深掘り解説
- 社会人としての土台を築き、活躍人材へと育成するための最初のステップである新入社員研修。本コラムでは、新入社員研修で取り入れるべき内容例や効果を高めるためのカギ、そして事例を詳しく紹介します。本コラムを参考に新入社員研修の内容を選定し、新入社
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本内容は、2025年4月2日に開催した「社会人の自覚研修」の公開講座研修レポートです。
受講内容や、受講前と後の変化などをレポートとしてまとめていますので、ぜひご覧ください。
目次
社会人になることを前向きに捉え、活躍・成長するための意識変革を促すことを目的としています。
“社会人のあるべき姿”を一方的に押し付けるのみでは、本当の意味での社会人としての自覚は醸成されません。
本研修では、社会人として持つべき規範やルールを習得しつつ、対話と内省も取り入れ、新入社員自身の内面からの意識変革を促します。
「与えられる立場」から「与える立場」へと立場が変わることを改めて理解します。また、社会人として必要な「顧客満足の担保」「モラルの遵守」「周囲への貢献意識」の3つの観点を学びます。
社会人としての大変さや心構えを理解しながらも、楽しさややりがいといった一面も知り、社会人になることに対してワクワク感やポジティブな意識を醸成します。
自身の特性 (強み・可能性) を活かすことで、小さくても周囲へポジティブな影響を与えていけることを知り、主体性と当事者意識を高めます。
1. ワールド・カフェ (社会人とは何か?)
2. 与える側としてのお客様の期待をどう超えていくか (顧客満足)
3. 学生としての甘さが、会社に損害を与える (モラル)
4. 自身の思い込みや独りよがりではない周囲への働きかけとは (貢献意識)
5. 総合演習
6. 明日への一歩(強み・弱みを理解し、社会人として一歩を踏み出すために)
研修の始めと終わりに、「今日の研修で期待すること」や、「気づき・感想」などを話す時間を設けています。
研修の初めと終わりの中で出てきたコメントから、変化を感じることができます。
研修開始時、受講生からは下記のようなコメントがあがっていました。
・自分の一つの行動で損失が起こる可能性があるので責任がある立場になるんだろうなと思った
・社会人としての行動や振る舞いをよく考えたい
・上司から言われたことを適切にできる状態になっていたい
・社会人は息が詰まるイメージ…
・まだ社会人になった実感がない
・自分は中国人なので、日本人の社会マナーやマニュアルを理解し、ちゃんと仕事をできるようになりたい
研修終了時の受講生の発言や終了後のアンケートでは、下記コメントがありました。
・自分の役割ってなんだろう?ということを考える気かっかけになった
・自分でできないことは他人に頼っていきたい
・みんな意外と意見を受け入れてくれたので、積極的に発言していこうと思った
・違う意見は痛気持かった
・まだ考えることと行動することのバランスが取れていないなと感じた
・慣れていくためにも行動をやめないことが大事だと思った
研修開始時は、社会人になった実感がなく、まだ学生気分が抜けていない受講者もいました。
しかし研修終了時には、さまざまな切り口から社会人として意識することを理解し、自分なりにどのような社会人になっていきたいかを考えるきっかけを得ているようでした。
アーティエンスの新入社員研修では、自身と仲間の成長を最大化するために、5つのルールを設けています。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
研修では、このルールを意識して取り組んでいただきます。
新入社員のインサイドアウト(新入社員の内側からの変容)を促し、研修に主体的に取り組んでもらうためのきっかけとして、ワールドカフェを行います。
※ワールド・カフェとは、カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、少人数に分かれたテーブルで自由な対話を行う対話手法の一つです。
ワールド・カフェでは、「社会人とは何か?」について対話を通して、理解を深めていきました。※ 研修でのグループワークの様子
【問い】
・round1 学生と社会人の違いとは何だろう?
・round2 「組織・世の中に貢献し、自身の幸せ度を上げる」社会人とは?
・round3 私たちの未来と今を豊かにするために、社会人のスタートをどのように切るといいのだろう?
対話の中で出たコメントの一部をご紹介します。
受講生のアウトプット事例をご紹介します。※受講生のアウトプット
それぞれの価値観や認知の違いを受け入れ、さまざまな意見の中から自分はどういう社会人になりたいかを考えていました。
まず、顧客満足度を理解するためのワークに取り組みます。
受講生が新卒採用媒体の社員という設定で、クライアントの要望に応えるために新卒採用のページの原稿の見直し、クライアントの採用担当の方に改善方法の提案をするワークです。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
このワークでは上司役の講師に質問をできるのですが、どのグループも質問しないクラスがありました。そのクラスが、なぜ質問するに至らなかったのかを振ると、下記のような意見が出てきました。
これらの理由を見ると、仕事の目的意識が弱いことがわかります。仕事の目的を意識することで、自然と問いが生まれ、質問の必要性を感じるようになります。
このワークでの気づきを踏まえて、顧客満足の仕組みを理解していきました。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
社会人は、与えられる立場から与える立場になります。与える立場である以上、成果への評価(=顧客満足)は相手(お客様・上司)が決めることを理解しました。
さらに、ここで出てくるサービスについても理解を深めました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
“ないとだめサービス” とは、顧客満足型マーケティングで言われる本質サービスのことを指します。顧客満足を得るためには、「相手が求めること」を正しく理解し、常に行動で示すことが大切であることを学びました。
これらの内容を踏まえながら、顧客満足には「成長」と「関心」が必要であるとお伝えしました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
ワークと講義を通して、顧客満足を高めるためには、仕事の目的を意識した上で、成長と関心を持つことが大切であることの理解を促しています。
社会人として欠かすことのできないモラルについても学びます。
学生としてのモラルの甘さが会社に損害を与える可能性があるため、モラルに反するとどのようなリスクが生まれるのかを具体例を通して考えていきました。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
ワークの中では、下記のようなコメントが出ていました。
モラルは当たり前すぎて組織から言われないこともあります。
しかし言われてないから守らなくてもいいというわけではありません。
ワークを通して、社会人としてのモラルを遵守し、自身の言動に責任を持つ必要があるという意識が強くなったようでした。
自身の思い込みや独りよがりではない周りへの働きかけとは何か、という貢献意識について、まず次の課題を行い、その後講義を行いました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
ワークでは、自分のことしか考えられず、相手の状況を理解しようとしていないコミュニケーションも生まれていました。
しかし、講義で以下のことを伝えると、相手に依頼する際は自分も何かに貢献することで、調整してもらえるようになることを納得している様子が伺えました。※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
貢献するためには、顧客・会社の期待・満足のために自分ができることを提案し、実行する必要があることを学びました。
今まで学んできた、顧客満足、モラル、貢献意識を活かした、顧客満足度を上げるための総合ワークを行いました。
教室を一つの会社、グループを各部署とし、解決策を提案してもらう内容です。
※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
グループを超え、全社最適な成果に向かって取り組む様子が見られました。
しかし、各グループの意向をまとめたアウトプットを提出できたチームは、僅かでした。
※受講生のアウトプット
貢献意識については、「こうすれば商品開発の負担も減らせるんじゃない?」など他部署のことまで意識できていました。
モラルについては、他部署に対するネガティブな発言が多々出ていたため、そういう話は相手に伝わってしまうため気をつけないといけないことをお伝えしました。
顧客満足の観点では、自部署本位ではなく全社最適な考えを持って行動している様子が多く見られました。ただ、そのための具体的な行動まで落とし込むまでは時間が足りずにできていませんでした。
ここについては、スケジュール管理や論理的思考などのスキルが必要になるため、今後学んでいきましょうとお伝えしています。
今日の時点では、貢献意識、モラル、顧客満足は社会人にとって欠かすことのできない意識であることを、体験を通して実感してもらいました。
自身のリーダーシップ(周囲へのポジティブな影響)を高めていくために、グループのメンバーで相互フィードバックとして良かった点と改善点を伝えあいました。
フィードバックの一部を紹介します。
・例を出しながら意見を伝えてくれてわかりやすかったし、話が深まった
・いろんな部署と話してくれて助かったんだけど、その情報をチームに共有して欲しかった
・自分の意見の言語化が上手だなと思った
・考えを伝えている時に相槌をしてくれて話しやすかった
・情報を噛み砕いて伝えてくれてわかりやすかった
※研修中のグループワークの様子
受け取ったフィードバックで自身の強みと弱みを知った上で、あなたらしいリーダーシップ(パーソナリティベースドリーダーシップ)のタイプについて考えました。
アーティエンスではリーダーシップの種類を10個に分類しています。これは、当社がリーダーシップの研究を行う中で市場調査を行い、リーダーシップの発揮の仕方をもとに、新入社員を次の10のタイプに分けたものです。 ※当社、社会人の自覚研修テキストより抜粋
自身が強みと感じているリーダーシップをより磨いたり、新たなリーダーシップを見つけてもらい、周囲にポジティブな影響を与えていける人になってほしい、というメッセージをお伝えしています。
受講生の皆さんは、初対面同士にもかかわらず、スムーズにコミュニケーションを取っている様子が印象的でした。
また、お互いの違いを否定するのではなく、“その人らしさ”として受け入れる姿勢が、多くの場面で見受けられました。
中には、まだ学生気分が抜けきっていない様子の方もいらっしゃいましたが、ワークや講義を通して、徐々に社会人としての自覚や責任に意識が向いていたように感じます。
本日学んだことを日々の行動に落とし込みながら、ぜひ“選ぶ立場から選ばれる存在”へと成長していってほしいです。
※本研修の内容及び25年度新入社員研修のご案内資料は、下記よりダウンロードいただけます。
5月以降も、新入社員がその時期によって持つ悩みに即した研修を提供していますので、よければご利用くださいませ。
新入社員を対象とした公開講座スケジュールはこちらから確認いただけます。