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【Growth回答結果レポート1月】2年目社員になる前に実施したい成長支援とは?

 新入社員 Growth パルスサーベイ

2023/2/17作成ー

アーティエンスでは新入社員のセルフマネジメント力・リーダーシップの発揮を目的とした、振り返りツール【Growth 】をご提供しています。

本記事では、2022年度新入社員を対象とした月に一度の振り返りツール【Growth】の1月24日〜2月6日の回答の結果(n=69/企業数11)を、回答結果とともに読み解きます。

1)1月のGrowth回答結果

今回のGrowth回答結果を見ていきましょう。全体の平均数値と標準偏差は次のようになりました。

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※ 9つの設問に対して5段階(“とてもそう思う”=5, “そう思う”=4,“どちらともいえない”=3, “あまりそう思わない”=2, “そう思わない”=1)で回答
※ 標準偏差とは:データのばらつき具合を示す数値のひとつで、数値が大きいほどばらつきが大きい

【参考】数値の扱い方について
サーベイなどの結果は、数値の良し悪しを見るのではなく、その背景に何があるのかを見るためのツールです。
平均と比較して自社の数値が低いという場合もあるかと思いますが、社員の意識が高いがゆえに低い数値を付けているという可能性もあります。
数値が高いから良い、低いからダメ、ということではなく、なぜそのような数値になっているのか、という数値の背景に目を向けることを意識してみてください。

9つの設問の中で、平均値が最も高かったのは業務遂行力に関するQ1と巻き込み力に関するQ2、最も低かったのは意義付け力に関するQ5でした。回答のバラつきを示す標準偏差が最も大きく出ていたのも、リーダーシップ発揮に関するQ9という結果になりました。

2)Growth結果から考える新入社員への成長支援について

22卒新入社員が入社してからもうすぐ1年が経とうとしています。来年度の4月には23卒新入社員が入り、22卒新入社員は先輩社員になるという企業も多くあることでしょう。

そこで今回は、新入社員本人たちが、もうすぐ1年目が終わり先輩社員になるという状況に対して、どのような想いや不安を持っているのか、Growthコメントから見ていきたいと思います。
※「Q10:最後に振り返ってみて感じた、「自身の誇れること・申し訳なく思うこと・これから取り組んでいきたいこと」を教えてください」に対してフリーテキストで回答。

新入社員からは、下記のようなコメントがあがっていました。

自身の改善点と向き合おうとしている

・仕事をする上で、以前は見落としていた細かい部分に気づくことができるようになってきた。2年目に向けて冷静に確認作業をすることを怠らず、日常業務での「うっかり」をなくしていきたい。

・上下関係なく、発言できるのは自分の良い点だと思う。ただネガティブな発言をすることが多いので今年がもうすぐで終わり、後輩がくると思うと、そこを改善すべきだなと思う。

・初めての経験がたくさんあったひと月だったが、大きなミスなく終えれた。一方で、先輩から指示いただくタスクのみならず自ら主体的にやりたいことを考えていくことができていないので、新たな後輩が入って来る前に成長したい。

自身の目指す姿・目標を再確認している

・私がミスをしてしまったとき先輩も僕と一緒に残業をしミスのカバーをしていただきました。私に後輩が出来た時は同じようにカバーしてあげたいと思えました。

・1月となり、もうすぐ2年目になる時間の早さに驚いています。昨年は社会人として様々な経験や知識を得ることが出来ました。残りの新人期間のうちに今までの取り組みを振り返り、今年は経験を活かし後輩指導や新たな挑戦をしていきたいと思います。

後輩へ指導する立場にもなるため、その前に自身の課題を改善したいという想いや、1年目の経験を踏まえてどのように後輩に関わっていくか、などを考え始めている状況がうかがえます。個人差はあるにせよ、自身が先輩社員になることへの不安は誰もが持っているものかと思います。そのような不安を受け止めつつ、2年目になることに対する前向きなサポートが、この時期は重要です。

そこで、今の時期の新入社員に対して行いたい2つのフォロー施策についてご紹介します。

①ロールモデルを自分なりの言葉で言語化する
②新入社員の「精神的成長」にも目を向ける

次章より一つずつ詳しく解説します。

①ロールモデルを自分なりの言葉で言語化する

一つ目は、一緒に働く先輩たちの素晴らしい点・助けられたことなど共に振り返りながら、新入社員のロールモデルを言語化していくことです。なぜなら、他者の何となく良いと思っていることを自分の言葉で言語化するだけでも、自身のありたい姿や目標へ一歩前進することができるからです。

具体例としては、1on1ミーティングは効果的でしょう。新入社員と対話する中で、尊敬している先輩がいる場合は、その先輩のどのような点を素晴らしいと感じているのか、具体的な経験と共に振り返り、そう感じた背景も探求していきます。この際、一人の先輩に絞らなくても構いません。複数の先輩の素晴らしい点に目を向け、多様な良いエッセンスを吸収していくというイメージで対話を行っていきましょう。

そうすることで、新入社員が「目指したい先輩社員の姿」を自分なりの言葉で言語化することができ、さらなる成長への原動力となります。

②新入社員の「精神的成長」にも目を向ける

二つ目は、入社してから今までの自身の「精神的成長」に目を向けて振り返ってみることです。

人の成長には、2種類あると言われています。一つは、技術や知識の習得による「技術的成長」。もう一つは、物事への捉え方や意味付けが変わっていく「精神的成長」です。「精神的成長」は心の成長とも呼ばれます。
 精神的成長と技術的成長
この精神的成長は、技術的成長よりも気付きにくいと言われています。ですが、習得した能力を適切に発揮していくためには、この精神的成長への支援が欠かせません。新入社員から2年目社員へと立場が変わるタイミングで改めて、自身の心の成長に目を向け、視座や視野を広げていくことが重要です。

精神的成長に目を向けて、成長を実感していくには、下記3点を押さえて取り組んでいくことがポイントです。

視点・視座を変える

内省力を磨く

自身のパーパスやありたい姿をアップデートする

上記に関するより詳しい内容や具体施策は、下記無料ダウンロードにてご参考いただけます。
▶【GrowthMeeting2022年8月】若手・新入社員の“精神的成長”を促すために支援したこと・したいこと
▶【GrowthMeeting2023年1月】若手・新入社員がより主体的に動いていくためには?

3)新入社員が2年目も活躍していくために

今回は、2年目を迎える前に行いたい新入社員への成長支援についてお伝えさせていただきました。ご参考になれば幸いです。ただし、一人ひとり置かれている状況は異なりますので、Growth結果をひとつの枠組みとしながら、当人と対話を重ねて今後のフォローをご検討いただければと思います。

2年目社員に必要なのは「主体的」と「当事者意識」

入社直後の新入社員には手厚く教育を行うものの、2年目以降は研修に力を入れていない企業も多いのではないでしょうか。

しかし、2年目社員は求められるスキルや期待される役割が新入社員とは異なります。
新入社員のうちは、ある程度指示通りに業務をこなしていれば良かった一方で、2年目になるとより率先して業務に取り組み、プラスアルファの提案や改善行動なども求められてきます。

そのため、2年目社員には「主体性」と「当事者意識」の醸成が欠かせません。
そこで弊社では、2023年度、2年目社員を対象に下記概要で公開講座を開催いたします。

【研修名】
主体性探求ワークショップ

【研修後に目指す姿】
仕事を楽しみながらも、仕事の大変さと向き合う

【日程】
・1日目:2023年7月27日(木)9:00~18:00
・2日目:2024年1月17日(水)9:00~18:00

【場所】
オンライン or 池袋会場

資料請求・お問合せは下記よりお気軽にご相談ください。
2023年度アーティエンスの若手社員フォロー研修(公開講座)

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