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社内研修を企画・計画する際に、大切なことは?

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コラム :学びの探求


 
 
この時期(9月~)は、社員の育成・研修の企画立案シーズンにされている人事ご担当の方も多いのではないでしょうか。
 
アーティエンスでも例年この時期は、多くの企業様から研修の企画・計画について相談をいただくことが多くなります。
 
 
新たにマネジャーに昇格された方向けの管理職研修や、若手社員の振り返り研修、そのほか内定者研修、次年度の新入社員研修についてなどなど──、ひとえに「研修の相談」といっても対象範囲は多岐にわたります。
 
 
さて、そういった企業研修を計画する際に「大切なこと」と言ったら、皆さまはどんなことを想定されますでしょうか。
 
 
──ということで、今回は、企業研修を企画する際の流れと、その際にアーティエンスが考える「大切なポイント」について、お話していきたいと思います。
 
 
 

1)研修の真の目的とは──

 
 
研修を計画するときの大きな流れは、以下の3つの構成(ステップ)で説明をしていくことができます。
 
 

 
 
初めのステップが、「課題創出」。そもそもの「その研修をやる理由・目的」を明確にします(Why)。
 
そして、続いて「目標設定」を行い、「その研修でどうなっていくと良いか」を定めていきます(What)。
 
3つ目のステップが、「企画立案」。ここでようやく具体的な研修プログラムやスケジュールを固めるフェーズに移ります(How)。
 
 
一見シンプルなこの3つの構成ですが、それでもいざ企業研修を実施した際に、以下のような状況に見舞われる企業様も多くいらっしゃるようです。
 
 

 
・課題が明確にならないまま、研修の計画が進んでしまう
 
・研修の参加者(受講者)が、研修の課題または目標に対して納得感を持てていないまま研修が行われる
 
・研修後、目的が達成したかの確認がなされない(「やっただけ」で終わってしまう)
 

 
 
さて、これらの状況に陥らないようにするためには、どうすれば良いでしょうか。
特に重要となるポイント3点を、これからお伝えしていきたいと思います。
 
 
 
 

2) 「課題」は、「理想」と「現実」両方の把握があって、はじめて成り立つ。

 
 
研修計画のプロセスの1つ目である「課題創出」。
ここで重要になってくるのは、「その課題が『真の課題』として成り立っているか」です。
 
 
例えば、管理職研修で見てみましょう。
とある企業の育成担当で「管理職スタッフが、管理職としての自覚をより強く持つこと」を課題としたとします。
 
ですが、当の管理職スタッフ達は「自分たちなりに、管理職としての自覚を持っている」と思っていたとしたら、どうでしょうか。
 
この場合、管理職スタッフが持つ「自分たちなりの管理職としての自覚」というものは、誤っているのでしょうか。
それとも、育成担当のほうで「管理職たちは自覚が足りない」と過小評価しているのでしょうか。
 
──そもそも、この「どちらが正しいか」という議論自体、時間をかけて行うべきものなのでしょうか。
 
 
 
この問いの解を見出すための議論自体が無意味という訳では決してないでしょうが、研修の「課題創出」という観点で言うなれば、もっと俯瞰した視点で話し合っていくことが重要であるように思われます。
 
 
どういうことかというと、企業の持つ課題が「真の課題」として成り立つのは、その企業に「目指したい理想」があり、その地点にまだ到達できていない「現状」があるからです。
 
そして、そこで生じるギャップが、「真の課題」になるのです。
 
 

研修における「課題」の見出し方(理想─現実のギャップが、課題となる)

 
 
上記の管理職研修の例で出た「管理職としての自覚」という課題は、そこに「組織が抱く、管理職に対する理想像」についてまったく語られていないとしたら、それは「真の課題」と呼べるものではありません。
 
 
企業研修を計画していくうえで、まず意識していくことはこの「真の課題」を見出していくことです。
 
 
そのためには。研修対象となる方々──ひいては組織が抱く「理想像」をしっかりと描き、そして現状とのギャップを照らし合わせていく必要があるのです。
 
 
 
研修を企画する人が「理想」(組織の「目標・基準・ありたい姿」)を知るには、代表の想いなどの「組織ビジョン」をきちんと把握しておく必要があります。 
また、もし現場がその理想像を把握していなければ、それを伝達していく役割を担う人も必要となってくるでしょう。
 
 
更には、理想からギャップ(課題)を見出すための「現状」を理解するには、関係者(参加メンバーや周囲の現場スタッフ)との相互理解が深まっていない状態では成し遂げられません。
 
 
 
研修を企画、計画する私たちは、課題創出のために「理想」と「現実」を明確にしていくこと、そしてそのためには組織全体の「関係性」と「理解」の両方を深める必要があることを、強く意識していくことが大切です。
 
 
 
 

3)研修を「やっただけ」で終わらないための、「目標」の掲げ方

 
 
「課題」が明確になると、研修のテーマや骨子自体も考えやすくなります。
 
──ですが、それでも「企業研修を自社で計画して実施してみたのだけれど、『やっただけ』で終わってしまった」と企業様から相談を受けるケースは少なくありません。
 
 
そこで重要となってくるのが、実施する研修に対して、適切な「目標」を掲げるということです。
 
 
 
具体的にどんな目標が適切かについては、組織や対象メンバーによっても変わってきますので一概には言えませんが、参考にしていきたいフレームとして、「ジャック・フィリップスの5段階測定」というものがあります。
 
 

ジャック・フィリップスの研修効果の5段階測定

 
 
上記のフレームで伝えているのは、「研修の効果というものは段階があり、順に辿っていくものである」ということです(一足飛びなどで達成しうるものではない)。
 
また、研修で「どこまでの段階まで、効果を期待するのか」といった点を明確にして、共通見解を持つうえでもこのフレームの活用メリットは大きいでしょう。 
 
今回の研修は主にどの段階までのアプローチを目指すのか」といった点を意識して、それぞれの段階ごとに目標を定義していくと、より「適切な目標」として掲げられやすくなります。
 
「適切な目標」は、参加者の目標達成意欲も持ちやすくなります。つまり、共有された目標の存在が「研修をやって終わり」になりにくくしてくれる、ということですね。
 
 
 
 

「ジャック・フィリップスの5段階測定」を活用する際の注意点

 
 
「ジャック・フィリップスの5段階測定」では、2点ほど注意しておきたいことがあります。
 
 
ひとつは、「上の段階のみで目標設定をしないこと」です。
 
経営者側からするとどうしても4番目の「成果・結果」であったり5番目の「ROI」に目が行きがちですが、それら段階にたどり着くのは、1~3段階の時点でしかるべき反応、行動が見られた後です。
 
 
また、段階が高まるにつれて当然ながら目標達成の難易度は高まります。単一の研修ではなく複数の研修の実施や、OJTとの連携もあって初めて達成が可能となるようなケースも多くなってくるでしょう。
 
 
それぞれの段階ごとに、また、現実的に「達成可能」な目標を立てておくこと。この点は必ず意識しておくようにしましょう。
 
 
 
もう一つは、「目標到達の見極めに、しかるべき期間を持つようにすること」です。
 
 
研修の学びは、終えた翌日から一気に変化が出るものもあるでしょうし、実務の経験と内省(振り返り)と照らし合わせながら、数日間かけて深まっていくものもあります。
 
 
例えば管理職研修において「部下コミュニケーションの品質向上」に関する目標がある場合、研修参加者は研修内の学びをもとに現場で何度かのトライ&エラーを繰り返しながら、目標へのアプローチをしていくことになるでしょう。
 
 具体的な期間設置のタイミングは掲げる目標のタイプや難易度によっても変わってきますので、この辺りも入念に検討の上、進めていくことが望ましいでしょう。
 
 
 
 

4)「企画立案」時は、参加者の「研修参加の納得度」を上げていくことも視野に入れる

 
 
企業研修を開催したときに、参加自体に後ろ向きな態度を示される方が一人や二人いる──というケースは、決して珍しくありません。
 
 
その方々に態度の理由を聞いたときによく返ってくる返答が、「よくわからないまま、研修に送り込まれた」であったり、「現場が非常に忙しいこの時期に、研修で丸一日潰されて…」といった類のものです。
 
 
もちろんそれらの方々の多くは、研修を受けながら段々と「たしかにこういう機会も重要だ」という風に、前向きなスタンスに移行されていきます。──それでも、もし最初からその前向きさがあれば、その「せっかくの一日」はもっと最大限活用できたかもしれません。
 
 
 
育成担当の方でせっかく研修の課題や目標を打ち立てても、このように「実際に参加する人の、研修への納得度」が低いと、研修そのものの効果は低減されるリスクが生じてしまう、ということですね。
 
 
 
そのような事態が起きないようにするためには、事前のアナウンスは当然のことながら、それら研修の課題や目標を、しっかりと参加される方々や関係者の方々と共有しておくことが大切です。
 
 
また、常日頃からのコミュニケーションや、関係性が育まれているほうが、参加者の「研修参加の納得度」は当然ながら上がりやすくなります。
 
 
 
 

まとめ) 企業研修は、「課題」、「目標」、「計画進行」を組織全体で連携していけることが大切

 
 
ここまでお読みになられて、いかがでしたでしょうか。
 
 
「企業研修って、ちゃんとやろうとすると大変だな…」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
 
 
ですが、研修は多くの場合、「きちんと手をかける」ことによって効果が大きくなる性質を有するものです。
 
 
そしてその効果は、新たな気づき・行動につながり、周囲の人々へも伝播されながら、組織の成長にもつながっていくことでしょう。
 
 
皆様が研修の企画・実施を行っていくうえで、今回の記事が少しでもお役に立てることを、心より願っております。
 
 
 
 

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