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─2015年7月 OJTトレーナ養成講座─
 結果考察レポート

現代の育成トレーナーが抱く課題とは
─2015年7月 OJTトレーナ養成講座─
 結果考察レポート

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レポート :セミナーレポート


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アーティエンス株式会社では、2015年7月にOJTトレーナー向けのセミナーを実施しました。
本レポートは、セミナーの概要及び、セミナーに参加いただいた方々からの質問・コメント・アンケート回答の一部紹介、また、それらから導き出された「最近の育成トレーナーの方々が抱く課題・悩み」についてまとめております。

OJT担当の方、育成ご担当の方、及びにトレーナー、リーダーの方々にて、人材育成業務の際のご参考にいただければ幸いです。
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Index
#1 アーティエンスのOJTトレーナー養成講座 概要
#2 参加者の方々のコメント・感想
#3 参加者の方々の掲げた課題、及び本セミナーでの気付き
 3-a:新人に業務を「任せる」ということについて
 3-b:ティーチングとコーチングについて
 3-c:コーチングと傾聴について
#4 まとめ
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#1 アーティエンスのOJTトレーナー養成講座 概要

プログラム内容

OJTトレーナー養成講座は、グループワークによる実演を中心に、以下プログラムに沿って進行されました。

・Work0 OJTと育成とは何かを考える
・Work1 部下の育成計画を立てる/伝える
・Work2 部下の指導方法を考える(フィードバック)
・Work3 部下を自律・自走させる(コーチング)

OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画

 

 

ワークの大半はストーリー形式になっており、参加された方々はストーリー内の登場人物になりきって、日々の業務で発生する様々な課題に対応します。

OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画 OJT研修 育成計画

 

 

どの参加者の方も日常業務を投影しながらの、非常に臨場感溢れるワークセッションが展開されていました。

OJT_05

#2 参加者の方々のコメント・感想 ※抜粋

現在5人の部下がいるのですが、今日のセミナーで、わかったつもりでいた、決めつけていたところが多いなと感じました。状況や時期、考え方もかわるので、聞く上でそういった部分にも注意して、部下と接していきたいと思いました。
機械的にではなく、「任せる」ということを前提として指示をしたい。
同様に、指示をただ「投げるだけ」ということをしていたので、部下の成長を視野に入れた指示に改善していきたいと思いました。
「傾聴」と「相手のレベルに合わせた質問をする」、ということを今後意識して実践していきたいです。
本日の研修を受けて、部下の指導に対して自分の押し付けでやっていた所が多かったと感じました。
これからの自身の指導の進め方・あり方の一歩として、「上手く聴き出す」ことを意識していきたいと思います。
グループワークでフィードバックを行った際に、自分はフランクに話しているつもりでも、相手から「表情が硬く詰められているような印象であった」と言われた。普段の業務でも気づいていないところで出てしまっているかもしれないので、改めて気を付けたいと思います。
コーチングの目的、進め方、考え方を聴けたことが良かったです。これまで考えていた認識とのずれを把握でき、かつ具体的なコーチングのやり方を教えていただけたことは大きな学びとなりました。
指導している新人が配属されて2ヶ月が経とうとしています。最近、コミュニケーションが取れていないと自分でも感じていました。改めて聴くに徹し時間を創っていきます。
グループワークでは、経験豊かな方々と色々なシチュエーションで話が出来て、考えながら話をするのが刺激的でした。

特に学べたと感じたポイント

OJT研修 アンケート

#3 参加者の方々の掲げた課題、及び本セミナーでの気付き

ここからは、本セミナーで参加者の方々の気付き・意識の高まりがあったポイント、及びその際にアーティエンスが感じた点をお伝えしていきます。

3-a:新人に業務を「任せる」ということについて

これまで、部下の指示の際に「任せる」という認識をあまり持てていなかった。OJTに関わらずに普段の作業に対しても「任せる(オーナーをさせる)」ことを意識して作業指示を行いたい。
これまでは、指示がただ「投げるだけ」ということをしていたので、改善したいと思いました。「任せる」ということを前提として指示をしていきます。
「任せる」「信じる」でも失敗したら、自分に返ってくる。このループが怖くて指示は簡単なものばかりにしていました。今後は部下のことを信頼できるように、「任せる」こと、「信じる」ことを前提としたティーチングしていかないとと思いました。

 
 
Work1での育成計画を立てる際に、「この先 新人に仕事を「任せる」ことを前提とした計画になっているか」という問いに対して、多くの参加者の方から「その意識は(これまでの業務において)全くなかった」というコメントを頂きました。
業務の指示、指導については、ルーティン作業として(参加者の方の表現をそのまま使わせていただくと)機械的に行うことが多かったという方、また、新人・部下の現在の課題点、改善点に目が行きすぎており、将来へのイメージが欠乏していたという方もいました。

変化の激しい、価値観の多様性が深まる社会において、その先の未来に対してイメージを描ききることの難易度はますます高まってきていると言われています。新人・部下に仕事を「任せる」ことは、彼らの将来を考えることにも繋がるのですが、このような背景から「任せる」為の働きかけも全体的に減衰の傾向があるのかもしれません。

2014年の若手社員の退職理由のアンケート結果にて、1位が「他のやりたい仕事につくため・次のステージへの挑戦」(日本の人事部「人事白書」2015年より)であったそうですが、新人・部下に仕事を「任せ」、彼らに早いタイミングからやりがいを持たせることによって、アンケート結果の傾向は変わるのだろうか、という観点も興味深いところです。

3-b:ティーチングとコーチングについて

今回のワークにおいては、ティーチングに関しては触れてはいるもののそれ程深く扱わずにいた(現代社会において問題意識・課題性の高い事象・概念を優先的にワークで取り扱う内容を決定したこと、併せてワーク全体の時間的な都合から)のですが、図らずも多くの参加者の方からティーチングとコーチングについての対比のコメントを頂きました。

本日の学びで特に印象に残った点は、ティーチングとコーチングの差であった。今まで業務で私がやってきたことは、ティーチングであった。
現在において、自分は育成時にティーチングを用いることが多いが、上司からは、コーチングを受けることが多かったことに気付いた。本日の研修を通じて、彼ら(部下)自身の想いを尊重することが育成において大切だと感じた。
ティーチング、コーチングでどういう変化があるのかを知らなかったので、この違いを知って、身に付けていきたいと思います。
ティーチングとコーチングの違いがわかったことが一番印象に残っています。

 
 

今回のセミナーに訪れた方々はリーダー層・マネージャー層の方が多く、また社会人経験が10年以上という方も多かったことがあり、グループワーク中の参加者間フィードバックにおいては、多くの方が非常に高品質かつ鋭い指摘・アドバイスを提供しあっていました。その相互の繋がりと関わり合いは学びの”場”の品質を大きく押し上げる程のものでした。
そういった方々の殆どが、ティーチングとコーチングの違いについて「今日初めて学べた」ということを述べていたのです。

コーチングやティーチングをはじめ、育成にはいくつかの型があります。ですが、それらを体系的に習得できる機会がかなり限られているという現実が、上記の事実・結果にも繋がっているように感じられます。

そして、世代間の価値観・仕事、働き方に対する考え方の多様化の広がりから育成業務の難易度も高まってきている中、私たちは改めて、育成の望ましいあり方と、その為に何をすべきかについて、話し合っていく機会を多く持つ必要があるのではと感じました。
 
 

3-c:コーチングと傾聴について

先生のコーチングのペアワークが印象に残っています。自分には出来ないやり方だったので、自分のレベルを知りましたし、今後の参考にしていきたいと思いました。
コーチングはとても難しいことを実感しました。育成をしながら、なるべく早くコーチングを実行したいですし、(部下の為にも)していかなければ、という意識を感じています。
ワーク中にコーチングを二回やってみましたが、知識として知ることはできたものの実行する為の理解がまだ足りなかったと感じました。
今の業務において、コーチングを実行する時が来たときに、ぶれずに話を引き出すこと、気付きを与えることが出来るかがまだ不安です。まずは、相手と自分を信じるところから始めたいと思います。

 
 

Work3で取り上げたコーチングにおいては、参加者の多くの方が「思うように出来なかった」という感想を述べられていました。詳細を聴いてみると、コーチングをする上で非常に大切とされる「傾聴」がきちんと出来なかったというケースが一番多かったようです。

傾聴とは、簡単に説明すると「相手を尊重し、理解しようとして聴く」ことです。言葉にするとシンプルに聞こえますが、「いざやってみるとうまく出来ない」「なかなかこちらが気づいてほしい点に気付かない部下に対して、こちらから意見を伝えて(押し付けて)しまう」「相手の沈黙が続くことに耐えられず、ついこちらから議論の続きを繋いで(相手の考える機会を奪って)しまう」といった声が多く挙がりました。また、現場での実務においても同様であったと何人かの方が話されていました。

コーチングも傾聴も、効果を最大限高めるためには、結論を出すことを急がずに、相手のペースに合わせて行う必要があります。そして、そもそもコーチングも傾聴も、相手との関係性、信頼関係が充分に構築されていないと真の効果は発揮されず、その信頼関係の構築自体は更に時間をかけて行っていく必要があります。

業務内容の高度化・複雑化が増していく中で、育成側はスピーディーな指示・フィードバックが要求される機会が多くなり、時間をかけて取り扱う必要があるコーチングや傾聴、そしてそれらの礎となる信頼関係の構築について、適切に時間をかけにくくなっている、という背景があるのかもしれません。
 
 

#4 まとめ

OJT育成の目的は、大きく以下4つの要素にまとめることが出来ます。
 
1)部下の能力開発の促進
 
2)部下の自己啓発の促進
 
3)組織の目標達成への貢献
 
4)部下の自律・自走の促進
 
この4点はどれも、短期的にクリアになる課題ではなく、中長期的に取り組んでいく必要のあるものです。ですが、組織・企業に属する育成者は往々にして、「短期的なゴールが設けられた育成」を求められることが多くあります。例えば、1ヶ月以内に業務の流れを覚えること、2ヶ月以内に営業として一人立ちすること、3ヶ月以内に売り上げの数値を作ってくること──それら短期的なゴールは組織を維持運用していく上でとても大切なものであることは事実でしょうが、そこに意識がより過ぎてしまうと、育成の本来の目的への意識がぼやけてくると言うのもまた事実です。

育成計画の立て方、コーチング、ティーチング、フィードバック…それら「育成の型」を理解し実践するということは、上記に掲げたOJT育成の4つの目的に立ち戻って新人・部下と向き合うことにも繋げられると、私たちは考えています。そしてそれは、育成に対して短期・中長期バランス良く向き合い、ひいては組織・企業の発展に大きく貢献するための礎になれると信じています。

 

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今回セミナーにご参加いただいた方々が、育成業務をより有意義に行われることを、心から願っております。
 
 
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